2013年11月5日火曜日

七五三とあめ/調味料歳時記


11月15日は、子供の成長を祝う行事である「七五三」ですね。

七歳女児/「帯解き(おびとき)」
帯の代わりに付け紐を取り、初めて帯を結ぶ儀式。
五歳男児/「袴着(はかまぎ)」
五歳になった男児が初めて袴を履く儀式。
三歳男女/「髪置き(かみおき)」
赤ちゃんから幼児への成長のお祝い。それまで剃っていた髪の毛を幼児にふさわしい髪型にかえる儀式。
上記のように、そもそも、七五三は武家社会での風習でした。始まりは徳川幕府五代将軍、徳川綱吉あたりから執り行われた行事のようです。

晴れ着を着て、手には「千歳飴」と書かれた長い紙袋。飴の細く長い形状には、子供の長寿という願いが込められているのです。その袋にも鶴と亀・松竹梅が描かれている、縁起の良い紅白の飴。江戸時代の浅草寺で、紅白の棒状の飴を「千年飴」と名付けて売り出されたことが、千歳飴の始まりとされています。



甘い味の水「あま水」や「あま味」という言葉から「飴=あめ」という言葉が生まれました。つまり「飴」という言葉の語源は「甘い」なのです。
砂糖や蜂蜜よりも歴史は古く、古来はツタの一種「あまかずら」を細かく刻み、しずくとなって落ちる液体を煮詰めた甘い水を甘味料として使用していました。固形の飴が出回るようになる江戸時代以前は「水あめ」が主流で、調味料としての役割、甘味料として使うことが多かったようです。江戸時代以降は砂糖も高級品ながら、少しずつ一般に広まりあめはお菓子として扱われるようになりました。「飴」は日本古来の伝統的な調味料であり、お菓子といえるのですね。

神社で七五三の光景に出会うと、こちらも思わず笑顔になります。こういう甘くて幸せな風物詩を、大切にしていきたいですね。

流山市・森のマルシェのfacebook『調味料歳時記』というコラムを執筆しています。このブログと相互リンクされていますのであわせてご覧ください。(2013年6月1日(土)つくばエクスプレス/流山おおたかの森駅前にて森のみりんマルシェというイベントが開催され、みりんのワークショップを担当しました。)
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