2013年12月19日木曜日

冬を乗り切る知恵/調味料歳時記


2013年最後の調味料歳時記は、流山が誇る調味料「みりん」を使った冬至のかぼちゃ(南瓜)です。かぼちゃ本来の自然な甘さを味わえる、かぼちゃの含め煮はいかがでしょうか。冬至とは、一年中で昼が一番短く夜が長い日で、今年は来週の12月22日です。

農耕民族である日本人。太陽の恵みが弱まることは、自らの生命が弱まるものと考えました。そのため「一陽来復」といって邪気をはらう儀式をしました。かぼちゃを食べるのはその一つとされています。



なぜ、かぼちゃを食べるかについては、諸説あります。かぼちゃを漢字で書くと「南瓜」ですが、これは「なんきん」とも読みます。運を呼ぶ一つの考え方で「北から南へ=陰から陽へ向かう」ことを意味していると言われています。さらに「ん」のつくものを食べると「運」が呼び込めるとされています。でも実は、かぼちゃの旬は夏。古の人々は夏に収穫し、長く保存できるかぼちゃを冬場の大事な栄養源としました。カロテンやビタミンAが豊富に含まれ、粘膜を保護する効果があります。風邪をひきやすい冬には貴重な食材でした。

そして、冬至の日のもう一つの言い伝えである「ゆず湯」。この日にゆず湯に入ると、一年中風邪をひかないと言われています。ゆず湯は、湯につかって病を治す湯治(とうじ)にかけ、ゆずには融通が利くようにという願いも込められていおり、また強い香りが邪気を祓うとも考えられており、江戸の庶民から生まれた習わしだったそうです。

ゆずに含まれる成分には新陳代謝を活発にして血管を拡張させて血行を促進し、からだを温める効果があり、それが風邪予防、冷え性の緩和にもよいとされています。さらには、果皮に含まれるクエン酸やビタミンCによる美肌効果もあります。香りによるリラックス効果もあり、「ゆず」は冬を乗り切るための万能アイテムです。

「かぼちゃ」や「ゆず」の効果/効能などはいまは科学的に証明することはできますが、古の人々はこれらを経験や知恵などで生み出してきました。こういう風習はずっと後世まで伝えていきたいですね。

流山市・森のマルシェのfacebook『調味料歳時記』というコラムを執筆しています。このブログと相互リンクされていますのであわせてご覧ください。(2013年6月1日(土)つくばエクスプレス/流山おおたかの森駅前にて森のみりんマルシェというイベントが開催され、みりんのワークショップを担当しました。)
http://www.facebook.com/morinomarche